cafe freddie

(放課後、風の強い日に私服の少女が店の前で―。)

(普段放課後はバイトに明け暮れる日々だがたまには休むこともある。それがたまたま今日なのだがそんな今日は来期のシフトが配られる日で。翌日でも良いかとは思ったのだがバイト先は帰り道にあり、そして雰囲気が気に入ってこの店でバイトを始めた後藤は客としてこの店を利用する事も度々。さて、今日はこのまま帰るべきかそれともシフトを貰ってコーヒーを飲んでから帰るか。)…どうしようかな。(偶々人通りが途切れたこともあり店の前に立ち止まって少々思案を。店に出入りしたい人には迷惑かもしれないが、そんな人が来た時には退けば良いだろうなんて。)

今日は風が強いですね。春一番、にしては遅いかな?

(放課後になってやって来たのは、最近お気に入りのカフェ。ゆっくりと過ごせるし、何よりコーヒーが美味しいのだ。ついつい通い詰めてしまっている。)……こんな良い場所、何で気付かなかったんだろう(もう3年も雛ノ森に通っていたのに、フレディを知ったのが最近となると、自身の観察力のなさに肩を落とすばかり。今日も今日とて、足繁くフレディにやって来れば、入り口付近で立ち止まる人物を見付けた。暫く様子を見ても、中へと入る気配がなく小首を傾げて。彼女の傍まで近付けば、)……中に、入らないんですか?(なんて声を掛けつつ、カフェのドアを開けて。まるでエスコートするかのように店内へと続く道を彼女に譲ろうか。)

うーん…遅いとは思うけど、私こういうの何て言うかわからない。

(考えていると人の気配。中に入るのだろうから場所を譲らなくてはと思ったがその前に声をかけられた。)え、あ…はい。ありがとうございます。(少々驚いて返事をし。まだ悩んではいたのだが、相手がカフェのドアを開ける様子にやはり少し休憩して行こうかと。「どうしようか悩んでから。」と微笑んで。――中に入れば店員に声をかけられ「2名様ですね。」と。一緒に入ってきたのだ、同伴者だと思われるのは仕方ないとは思うのだが、声をかけてきた同僚女性は何か聞きたげな表情を隠そうともしていない。普段恋愛話には相槌を打つだけの自分をからかいたいのだろう、彼女から見えぬように小さく溜息吐いて。しかしこの場をどう切り抜けよう?彼に助けを求めるように見上げた。)

俺も。気分で言っただけだから…ただの風かな?(笑)

いいえ、どういたしまして?(なんて微笑みを浮かべながら応えるも続いた彼女の言葉に、「あ、悩んでる最中だった?余計なことしたかな?」と少しばかりバツが悪そうに眉を下げた。彼女の姿が、勇気がなくて入れない子に見えてしまったから、思わず声を掛けたのだけれど、余計なお世話だったかもしれない。それが顕著に表れるのは店員の声――)いえ、二人別の席でお願いします。今、彼女とケンカ中で。俺が怒らせちゃったんですけど(なんて、彼女の視線ににっこりと笑みを浮かべて応えてから、いけしゃあしゃあと冗談をかまそう。店内が混んでいればきっと彼女と相席になるだろうし、そうでなければ、どこか含みを帯びた言葉と表情の店員の計らいで隣り合わせの席に案内されるのだろう。)…ふふ、ごめんね?(くすくすと悪戯が成功した子供のように笑えば、その口元を丸めた手のひらで覆い隠して、彼女に謝罪の言葉を贈ろう。)

もっと穏やかだったら春風とか言えたのにね。

ううん。逆に切欠が出来たし。(ゆるく首を振って否定の言葉、眉を下げる相手には「だから気にしないで。」と言うものの、その態度は何とも素っ気ない。後藤にとってはいつもと変わらぬ態度であり言葉に嘘はないのだが、初対面の相手にそれが伝わるのだろうか。――己の視線に返ってきた笑顔。任せればきっと大丈夫だろうなんて安心したのも束の間、彼の口から出てきた言葉に小さく目を見開き。確かに嘘も方便とは言うけれど…なんて後藤が考えている間に二人隣り合わせの席へ案内された。)いや、任せたの私だし。それに、彼女って呼んだって必ずしもステディな関係とは限らないでしょ?(自分から頼っておいて怒るなどと理不尽な真似が出来るわけもなく、相手の優しげな顔が子供の様に無邪気な表情へ変われば苦笑浮かべながらも目元は柔らかく。)名前聞いていい?助けてもらったし、そういう相手の事はちゃんと覚えておきたいの。私は後藤ゆりあ、雛ノ森の2年。(と言いながらメニューを相手に差し出し。自分はメニューを把握しているしいつも頼むものは決まっている、「私は大丈夫だから。」と付け足して。)

これくらいの強風だと、ちょっと鬱陶しい感じかな?

そう言ってもらえると、声掛けてよかったって思えるよ(「ありがとう。」そう言葉を続けて、彼女の素っ気無くとも優しい気遣いに微笑んだ。──案内された隣り合わせの席に腰掛ければ、思わず彼女を見遣って、笑みを零し、)そうだね。彼女なんてただの呼び名に過ぎないし。ガールフレンドに直結するわけじゃないからね、冗談が通じる子で良かった(ちょっとしたお遊び心を覗かせては、激怒されなかったことに一安心。たまには非日常を味わいたいという冒険心がこの男にはあるようだ。)助けたってほどじゃないけどね?ゆりあちゃん、偶然。俺も雛ノ森だよ。3年の進藤英吉。これも何かの縁だし、よろしくね?(同じ学校の生徒だったのかと、一瞬驚くもすぐに目を細めて。差し出されたメニューを受け取れば、ちらりと目を落としすぐにそれを閉じるのだろう。そうして、「俺も決まった。」と告げれば、手を挙げて注文をお願いしようか。やって来た店員に「アメリカン、ホットで。ゆりあちゃんは?」と続けて注文するよう、彼女に促そう。)

ですね。向かい風だと歩くだけでも疲れますよね。

(席に着けば自分を見て笑みを零す相手に不思議そうな表情を。続いた言葉にはくすりと笑みを零してこう応えるのか。)それくらいの冗談は通じるというか…まぁ、驚いたけどそういうの嫌いじゃないし。あの子にもそうやって流しておけばいいしね…あ、私ここでバイトしてるの。(先程の店員とのやり取りで気づいたかもしれないが、一応と補足を。もしまた彼がこの店に来たのなら声は掛けようかな、なんて心の中で思いながら。)そう?事実私は助かったからそういうことにしておいて?同じ学校だったんですね、近いとはいえ本当に偶然ですね。こちらこそよろしくお願いします。(目上とわかれば敬語を使わなければいけないのだろうが、今までの会話がある上に後藤は敬語が苦手なのである。平静を装っているが少々ぎこちない話し方なのは隠せているのか不安なところである。――店員に注文告げる相手に続けて「ホットのカフェオレで。」と。注文した品が運ばれてくるまでこの雰囲気と彼との会話を楽しもうか。)

わかる。見えない何かに押し戻される感じだよね。

そっか。俺もついつい冗談とか言っちゃう方だからなあ…なんというか、ちょっとした日常の中でも刺激を求めちゃうんだよね。……あ、そうだったの?だから、さっきの子が意味ありげな顔してたんだ?(彼女の補足になるほど、と納得した表情を浮かべては小さな頷きを一つ。)…それじゃあ、人助けをしたって思うことにするよ。うん、確かに。でも、ここなら実は同じ学校の子が来てそうだよね。…ふふっ、急に敬語になった(自己紹介をした途端、少しだけ畏まった口調になった彼女に思わず笑みを零した。「今まで通りで良いよ?だって、彼女でしょ?」なんて冗談めかして付けたそう。――そうして注文した品が運ばれてくれば、いただきますと言葉にして。熱い珈琲を口にしては、至福の一杯を楽しもう。)

下手すると後ろに転びそうでちょっと怖い時もあるし。

日常の中のちょっとした刺激かぁ…考えたことなかったけどそういうのって大事よね。単調な日常ってつまんなくて飽きちゃいそう。…うん。あの子、恋愛話とか好きみたいだから。(前半「うーん…」と考えるような表情見せて。後半に続けた言葉には苦笑浮かべ「私そういう話に縁がないから。」なんて。)結構制服の人見かける。テスト前なんかは特に多いかも。だって…進藤さん年上じゃないですか。(笑みを零す相手に困ったような表情しながらも続いた言葉に安堵したのか後藤の纏う雰囲気が柔らかくなったのには大抵の者は気付くだろう。「じゃあ、お言葉に甘えます。ありがとう。」と。――注文した品がテーブルに置かれれば暫しそれを味わう時間を。それも落ち着いた頃「ちょっとごめんなさい。」と席を立って。数分後戻ってきた後藤の手には数枚の個包装されたクッキーとシフト表。席に着けばクッキーを相手の前へ。)さっきのお礼。甘いの嫌いじゃなかったら。苦手だったら誰かにあげて。(ちゃっかり自分の分も持ってきたようで1枚は自分の前へ。そして照れ隠しに相手から視線逸らし一緒に持ってきた紙を鞄の中へ片づけるのか。)

あ、なんかその感覚がわかっちゃうのは悲しいことかな……

毎日同じことを繰り返してるとね、どうも俺には窮屈に感じちゃって…非日常に憧れるのかもね。そうなんだ?女の子って、そういう話が好きな子が多いよね?(偏見かもだけど。なんてくすくすと笑えば続いた彼女の言葉に不思議そうな表情を浮かべて「そうなの?彼氏とかいないんだ?」と尋ね返した。)私服の子とかもいるから、実際はもっと多いだろうね。テスト前にみんな考えることは一緒だ(笑)うん、ゆりあちゃんのが年下だったね(そんなことを告げながら、彼女から返ってきた言葉には、やわらかな笑みを浮かべては頷いて。堅苦しい萎縮したような空気はきっとこのカフェには似合わないはずだから。――席を立つ彼女を一つ頷いて見送れば、またコーヒーを一口。苦みと香りが口の中に広がって、美味しさを堪能していれば戻って来た彼女が差し出してきたクッキーに目を落とした。)……え?これ、いいのかい?(視線を彼女へと移せば吃驚したような顔で尋ね返して。「甘いの嫌いじゃないよ。ありがとう。」そうして目を細めてはお礼を述べて、鞄を弄る彼女を眺めていよう。)

誰でも強風で転ぶことはあるんじゃない?

学生なんて学校と家との往復だから余計に単調になりがちだものね。ありえないくらいの非日常なら私もちょっと試してみたいかも。嫌いな子って少ないんじゃないかなぁ…あんまり聞いたことない。(なんて少々考えながらそう言って。続けられた言葉には驚いたらしく小さく目を見開いて「いないですよ。いたこともないし。」と怒っている訳ではないのだが、事実なだけに告げる様子は淡々としていて。)私がいうのもなんだけどこの店居心地良いから、けっと勉強もはかどるんだと思う。(こくりと頷きながらそう返して。)だからやっぱり敬語とか使わなくちゃと思ったんですけど…でも、正直敬語苦手だから。(微笑浮かべながらもきっとこの人には敵わないんだろうなぁ…なんて頭の隅で考えながら。)――勿論。どういたしまして。良かった、甘いもの嫌いじゃなくて。(苦手だったら…とは言ったものの、やはりそうだったら少々心苦しいものがあるから。鞄を整理する様子を見られていることに気づけば余計に照れてしまうのか、その頬は僅かに染まりもっと視線を上げづらくなってしまうのか。)

男でも?ちょっと貧弱な感じしないかい?

有り得ないぐらいの非日常?例えば、いきなり魔法が使えるようになったりとかかい?(くす、と小さく微笑みながら尋ね返してみて。)やっぱりそうなんだ?じゃあ、ゆりあちゃんも好き?(ふむ、と一つ頷いてみては素朴な疑問を投げ掛けて。彼女からの返事に今度はこちらが目を見開く番。ぱちりと瞬けば「ゆりあちゃん可愛いから、絶対彼氏いると思ってた…」と素直に思ったことを零した。)うん、居心地いいよね。俺も今度ここでテスト勉強してみようかな?捗るかもしれないしね?(彼女の言葉に同意するように頷けば、自分もそうしてみようかと冗談っぽく告げた。)俺は敬語とか気にしないタイプだし、仲良くなったら楽に話して欲しいって思うからなあ……楽しく話せれば十分じゃない?(ふふっと笑みを浮かべては、そんな持論を並べて。あくまでこの男の考えで、敬語を気にする人もいるだろうけれど。)うん、嬉しいよ。甘い物、結構好きだよ。(鞄を整理する彼女を眺めれば、その頬の変化にも気付いて。もう一度にこりと微笑めば「それじゃあ、遠慮なく戴きます。」と告げ、視線をクッキーへと向ければ包装を開け、ぱくりと一口、齧り付いた。)

そう?歩きにくいのは誰だって一緒だと思うけど…

うん。子供の頃は箒に乗って空飛ぶとか憧れたなぁ…そういうのってない?(ふ、と珍しく昔を懐かしむような表情浮かべ。)凄い好きって訳ゃないけど、どちらかといえば。やっぱりそういう話って盛り上がるし楽しい。(こくりと頷きながらそう返す彼女は人見知りな為に素っ気ないところがあるだけで、実際はごく一般的な女子高生なのである。「驚かれたことにちょっと驚いた…好きな人がいないのもあるけど私モテる訳じゃないし。進藤さんこそ、優しそうだし、いそう。」なんて小首傾げながらこちらも不思議そうな表情浮かべるのか。)じゃあ、その時は注文取りに来ることにしようかな。それくらいなら邪魔にならないでしょ?(なんて冗談とも本気とも区別がつきにくい調子で。)私も。堅苦しいのが苦手っていうのもあるけど、私の場合使われるのもあんまり好きじゃなくて。(と真似る訳ではないが同調する部分は大きくて。――自分から視線が逸れたことに気付けばようやく顔を上げて嬉しそうに小さく微笑み、「私も食べよ。」とテーブルに手を伸ばした。)

そういう風に言ってもらえるとちょっとは救われるなあ、俺。

魔女か、女の子が憧れそうだね。俺は忍者とかに憧れたなあ…(人差し指を立てて忍者のポーズをしてみれば、にっこりと少年のような笑みを浮かべた。)確かに。話題が見つからないときとかは、そういう話をすると盛り上がれそうだよね。(ふむ、と頷きながら答えれば「そんなに驚いたの?」と、くすくす笑みを零し、)モテる訳じゃないっていうのはやっぱり意外だな…俺がしたみたいに声掛けられたりしない?…んー今はいないかな。(彼女の言葉に答えるように、自身の今の状況を語って。)うん、じゃあその時は是非。むしろ、ゆりあちゃんに会いに通っちゃおうかな?(なんて冗談めかして。あながち嘘ではないような本気の色も含んでいるようで。)でも後輩とかいたら敬語遣われるでしょ?その時は?むず痒い感じかい?(そんな疑問を彼女に投げ掛けつつ、口に含んだクッキーを飲み込めば「あ、美味しい。」とその感想を漏らした。)

救われるなんて、私、そんな様な事言った?

忍者って、折り紙で手裏剣作って投げる練習したり?(相手の童心に返ったような笑みにつられるように表情崩して。「幼稚園の頃、折り紙してると男の子に手裏剣強請られた。」なんて。)うん、きゃーきゃー言いながら話してる。でも、そういう話って男の人同士でもするの?(小首傾げてふと思ったことを聞いてみた。次いだ問いにはこくりと頷いて。)だって男の人って小柄な女の子が好きなんじゃないの?そう聞いたことあるけど…声掛けられたりって、進藤さんのは親切じゃない。(くすくすと笑いながらそう言えば、続けられた彼の近況に「そうなんだ。」と。)私に会いに?それは光栄ね。放課後は結構な頻度でいるけど。(彼の言葉は冗談だろうと話に乗って楽しそうにそんな風に返し。)むず痒いから、ちょっと困る。そういえばあんまり知り合いの後輩っていないかも。(「でしょ?ケーキとかも美味しいよ。」と店の宣伝なのかなんなのか。)

俺にとっては救われるような言葉だったんだよ。

そうそう!ちょっと隠れてみたり、高いところから飛び降りてみたり。(彼女の言葉に何度か首を縦に振りながら頷いて、「俺もよく作ってもらってたなあ…懐かしいな…」と目を細めては幼いころを思い出すのだろう。)きゃーきゃー(笑)男はもうちょっと下世話な感じ、かな。(苦笑いを浮かべたのは、女の子に言えるような内容ではなかったから。男同士の恋バナなんてただの下ネタである。もちろん真面目な恋愛相談だってあるけれど、そうしたケースは稀。この男とて、年相応の興味はあるものだ。)小柄な子が好きって人もいるし、モデルみたいにスラッとした人が好きなやつもいるよ。どんなに身長が高くても、やっぱり華奢な女の子は可愛いと思うな。親切だけど、もしかしたら下心もあったかもしれないよ?(なんて、ふわっと軽い笑みを浮かべては冗談のように告げた。)益々常連になっちゃうね、俺(笑)彼氏じゃなくてストーカー扱いされないように気をつけなきゃ。(くすくすと話に乗ってくれた彼女の言葉に笑いながら冗談を。そうは言っても、きっとこの言葉通り今までよりも通う頻度は上がるだろうけど。)そっか、じゃあ後輩の知り合いが出来たら楽しみだね?(こくんと頷きながら彼女からの宣伝文句に思わず、ふはっと吹き出した。――それからこの男はのんびり過ごすためにコーヒーをおかわりして、それと一緒に彼女が勧めてくれたケーキも頼むのだろう。一人ではなく二人で過ごす普段とは違う空間に時折笑みを浮かべながら、もう暫くはこのまま居座り続けよう。)

…じゃあ、そういうことにしておこうかな。

見たことある。そういう事やってる男の子。で、たまに怪我して泣いてる子もいたりして。(くすくすと笑いながらこちらも幼少期を思い出し。「折り紙好きだったから、強請られるのは嫌じゃなかったなぁ…」と続け。)下世話って…あぁ、そういうことか。変なこと聞いてごめんなさい。(後藤とて年頃の女子である、濁された言葉の意味も理解は出来た。妙な事を聞いてしまったなと一瞬困ったような顔を。続いた彼の言葉にその表情はすぐに消えるのだけれど。)そういうものなんだ。女の子同士でしかそういう話しないから男性目線の意見って新鮮。…進藤さんって結構冗談好きなんだ?(冗談としか思っていない後藤、口元緩めながら彼の言葉を聞いていた。)ストーカーは行きすぎだけど、常連さんは大歓迎。知ってる人が来てると私も仕事楽しくなるし。(表情和らげ「待ってる。」なんて。)楽しみ半分、ちょっと怖いの半分かな。まぁ、そのうちこの店でも後輩できるかもしれないし、そうしたら頑張る。(己の言葉に吹き出す相手に悪戯っぽい笑みを浮かべ「ごめんなさい。」と。――彼と同じように飲み物をおかわりして、迷った末に「今日くらいは良いか。」とケーキも真似して頼んでしまうのだろう。この店で過ごすいつもとは少し違ったひと時に満足感を覚えながら、時は過ぎていくのだろう。)