(地域探索同好会のお知らせを聞き、放課後まず彼がした行動は図書館で本を借りる事だった。何の本かというと星の図鑑。見に行くなら星座を見つけてみたいという理由だ。開始時間より30分遅れて到着した丘。数人の生徒が既に楽しんで見学していた。何だかカップルらしき人達も見つければ羨ましげに目を向けたりしつつも早速図鑑を開いて夏の星座を確認してみよう。期待に胸を膨らませながら空を見上げて、どれかなーと探してみる。無数の星が煌めいていてとても綺麗だ。うん、綺麗だ。…が)………わからない。星がいっぱいありすぎてどれがどの星座か全くわからない。(図鑑を見たからといって分かるわけもなかった。期待していた分落ち込みも大きい。しゅんと肩を落とし切なげな表情でパタンと本を閉じて溜息一つ。)
(今回人から人へ噂としてこの丘のことを小耳に挟んだ彼女はその日の夜行動に移した。動きやすいようにアデ○ダスの長袖短パンのジャージに身を包んだ装いでスニーカーの汚れなんて気にも止めずに森を突っ切っていった。丘に到着すると満天の星空で、感動のあまり独り言をつぶやいてしまう。そして気付くとカップルだらけで…ボッチ勢の彼女は段々居た堪れなくなって同じくボッチの人を探すように周囲を見回した。)あ!きみ、きみ!その制服雛学生だよね?ね?一人寂しいから一緒にいよー!…どうしたの?そんな顔しちゃって…。(必死、そんな形相で、見覚えるのある制服で肩を落とし切なげな表情の彼に詰め寄った。そこでやっとその表情に気付き首を傾げるのだ)
(突然声を掛けられた彼は驚いて顔を上げ相手を見つめ数回瞬き。必死な形相で詰め寄られると戸惑ってしまい思わず一歩後ずさり、最初に返す返事は歯切れの悪い頷きになってしまった。気を取り直そうと一度軽く深呼吸。それから彼女の誘いにきちんと答えようか。)俺も一人だったし君が良ければ大歓迎だよ。俺は簑島光、よろしく。(へらりと締りのない笑みを見せて自己紹介。初対面の相手なのに口調が既にタメ口なっているのは気さくに話しかけてくれた彼女の影響だろう。)実は、星を見るなら星座を見つけたいって思ってこの辞典見ながら探してたんだけどさ、ぜーんぜんわらかなくて少し落ち込んでたんだ。(照れ笑いを浮かべながら頭を掻いて。彼女に持っていた星の辞典を差し出し、君ならわかる?と問いかけてみよう。)