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(「交換しようねー。」と数人の友人と友チョコの約束をしていた後藤。生チョコは母親に贈るつもりで、ガトーショコラとアイスボックスクッキーのセットを友人の分としてラッピング。)あれ…?(実習中に漏らした声に反応したのは同じ班の女生徒。「どうしたの?」との声に「なんか多い。」と返す。約束していた友人の数よりも一つ分多い。ラッピングバックは多めに持ってきていたから足りるけれど、予定外のそれをどうしようかと。自分で食べるという選択肢は最初に除外、捨てるのも勿体ない。暫し考えた末に決めたよう、決めればさっさと後片付けに取り掛かるのだ。――放課後の1年教室。SHRが終わってすぐ自教室を出たにも関わらず、目的の彼は既に部活動に向かった後のようだ。彼のクラスメイトにペンとメモを借りる。「調理実習で作ったので悪いけど。前はありがと。その時のお礼だと思ってくれれば。 2-3後藤ゆりあ」と書いて。聞いた彼の机の上に金のモールで止めた白のラッピングバッグ、それから先程のメモを置いて。彼の教室を後にしよう。彼がこれを見つけるのは、バレンタイン前日の今日か、それとも当日の明日朝か。)
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(バレンタインが近づくにつれて学園内は段々とざわめいてくる。男子バスケ部もいつもと同じようだけど同じではない、休憩中の話題と言えば誰からのチョコが欲しいとか、チョコを何個もらえるかとか、バレンタインに関係するものになっていた。いくつもらえるか競うという謎の勝負は恒例らしい。勝っても負けても何もないとは思うが、ビリだけは回避したい。)あッ!教室に忘れてきちまった!(2月13日の部活後、寮には戻らずそのままバイトなので制服を持ってきたのだが教室に忘れてきてしまった。慌てて取りに戻ると、松原の机の上に見慣れない袋が。)なンだこりゃ、誰か間違えて置い……ンン!?(ラッピングバッグと一緒に置いてあるメモを見れば心底驚いたような、誰もいないのにおかしなリアクションをとって。)後藤センパイ…マジか、マジか!(ヨッシャー!と盛大にガッツポーズをして、彼女からの贈り物とメモを大事に抱え教室を駆け出す。バイトの制服をまた忘れたので、慌てて戻って回収し、バイトへと向かう足取りは軽い。)
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