|
御代さんと、のんびりお散歩!だよ〜。
|
(金曜日の放課後。HRが終わると、帰り支度を済ませて教室を出た。黒いタイツを履いていること以外はほとんど規定通りの制服姿。髪型はせっかくのお出かけなのだからと、サイドを編み込んでキャメル色のリボンでハーフアップに。昇降口に置いてあるノート“きょうのことば”で何度かやりとりしたことのある、同級生の女の子。今日は、貴女とのんびりお散歩をすることができる日だ。貴女と直接会話をしたことはなく、ノート上での約束の取り付けになってしまったけれど、同学年の廊下で姿を見かけたことが何度かあるため貴女の顔は把握している。クラスが何組であるかまでは知らなかったけれど、経緯を話した上で先生に教えてもらったのだ。貴女が自分の顔を知っているかはわからないけれど、声をかけてからちゃんとご挨拶しようと思って。3年8組の教室。HRは終わっているかな〜と様子を伺ってから、そっとドアを開けて)失礼します〜。御代さん、いますか〜?(のほほんと声をかけながら、教室内を見回してみよう)
|
|
お散歩といえば…おやつの準備は万端であります?
|
(とある金曜の放課後、HRの終了と共にせっせと身支度を始めた御代。補習常習犯の自分に珍しそうな視線を向けるクラスメイト達を気にせず、荷物を詰めこんだ白いリュックをよいせっと背負う。普段と変わらない袴姿だが、矢絣の着物ではなく芥子色の生地に秋らしい紅葉と桔梗が華やいでいた。鼻歌混じりで上機嫌な少女。それもそのはず、今日は同級生から散歩のお誘いをもらった約束の日だ。)…はっ!そういえば、中村殿にクラスを伝えていなかったであります?(ふと思い出したように首を傾げる。ノートに自分が在籍するクラスまでは記さなかったのでは、と自らの失態に「不覚であります!」と頭を抱えるちびっ子。しかし不意にのんびり穏やかな声が教室内に響けば、くるりと振り返り扉に視線を向けた。そこには滑らかな黒髪の少女が自分の名前を呼ぶ姿が映り、反射的に「はいっ!」と挙手をした。)御代、いるでありますよ!お迎えかたじけないであります、中村殿!ふふふ、こうして直接お会いするのは初めてでござりまするね。(後頭部で存在を主張する大きな白いリボンを揺らし、小さな歩幅ながらひょこひょこ軽快な足取りで扉に駆け寄った。学園内で幾度か見かけた記憶の残る同級生を見上げよう。)
|
|
うん!栗まんじゅう作ってきたの。好き?
|
(中村の呼びかけに対し、元気な返事が聞こえてきた。そちらへ視線を向ければ、見覚えのある女の子が、なんとも可愛らしくこちらへ駆け寄ってきていて)わ〜、御代さん。そうだねぇ、面と向かってははじめまして、だね!…でも、私のこと知っててくれてた…のかな?(どうやら貴女は一目で中村を認識してくれたようなので、嬉しそうに笑って)改めて、5組の中村和花です〜。今日はよろしくね(と、名前を名乗りつつぺこんっと軽い感じでお辞儀をしよう。その際、はらりと肩口からこぼれ落ちた髪の一房が、貴女にかかってしまわないように手で押さえて)じゃあ、行こっか〜。あのね、鵯神社の方に行こうかなって思ってたの。参道に秋の花とか紅葉があって綺麗かな〜って思ってて…。御代さんは、他に行きたいところはある?(貴女と約束を取り付けてからずっと真剣に考えていたお散歩コースを口にしつつ、貴女の意見も聞こうと。そんなふうに会話をしながら、教室を出て廊下を歩こうと)
|
|
おお!流石は中村殿ぐっじょぶ!大好きであります!
|
(来訪してくれた少女を軽く見上げながら、にんまり幼く微笑んで少し得意気に胸を張った。)ふふふ、こう見えて自分赤点職人でありますからね!朝の補習と居残り補習で学園内にいることが多いでありますよ!だから同学年の方々は結構記憶してるでござりまする。(まったく自慢にならない話を語りつつ、少女からの挨拶には自らも佇まいを正し、深々と頭を下げるのだ。)ご丁寧にかたじけないであります。こちらこそ、今日はよろしくお願い致します!むふー、中村殿はかぐや姫のようでありますな!(流れるような黒髪をじーっと見つめながら、大きな瞳を輝かせ感想を告げた。)承知したであります!鵯神社でありますか?中村殿、ナイスな選択でありますね。体を動かすのも大事でありますが、目で楽しむのも大事なのでござりまする!(彼女のプランにうむうむと頷きながら楽しげに笑う御代。反対に意見を求められると、ふーむなんて小さく首を傾げて、)あ、神社に行く途中で商店街に寄ってもいいでありますか?(一緒に廊下を歩きながら、意見と呼ぶには些か物足りない内容を口にし隣の少女へ尋ねるのだ。)
|
|
よかった〜。…御代さんは和菓子派?洋菓子派?
|
赤点職人…あ、きょうのことばでそんなこと言ってたねぇ。でも、覚えててくれて嬉しいなぁ。…ちなみに私も、赤点の補習は1回受けたことがあるよ〜(彼女の話に耳を傾け、ノートで他の生徒とそんなふうなやり取りを彼女がしていたことを思い出しつつ)えっ?かぐや姫?……あ、……ふふー、照れちゃうなぁ。…御代さんはなんだろうねぇ…ちっちゃくて可愛いから、親指姫かなぁ?あっ、でも赤ずきんも可愛いと思うなぁ…(一瞬きょとんとするものの、彼女の視線が自分の髪に向いていると気づけばはにかむように笑う。そして、彼女を童話の登場人物に例えるならばと考えはじめて)うん!どうせお散歩するんだったら、綺麗な景色を見ながら歩いた方が楽しいと思ったんだ〜(自分の提案に賛同をもらえれば、嬉しそうににこにこしながらそう話して。続いて、彼女からの言葉にはこくっと快く頷いて)もちろんいいよ〜。商店街…何かお買い物〜?(と何気なく問いかけたところで、下駄箱に到着。「靴はきかえてくるね〜」と彼女に言い残し、いったん自クラスの下駄箱まで。いそいそと靴を履き替えれば、とっとっと〜と彼女の方へ向かってみよう)
|