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だれもいない教室、うん、お昼寝には最適…。 |
(使われていない空き教室。今日は天気が非常に良く、窓際の席にはあたたかい日差しがダイレクトに注がれている。小岩井はその最前列の席を選ぶと、机にうつ伏せになり、日だまりのあまりの心地良さに満足げに目を細めた。すん、とあたたかな木の匂いが鼻をかすめれば浸るようについには目を閉じ、そして今がピーエム1時10分…、5限の真っ只中だということを完全に思考から消し去った。堂々のサボりだ。このまま誰も来なければ、数分後にはすやすやと夢の世界に入っていくだろう─)
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お昼寝スポット、見つけるの得意なの? |
(天気の良い本日、昼休み後の体育は七瀬の気分を降下させた。その天罰なのか何なのか、体操着に着替えて校庭へ出た、ものの5分後には右の掌に立派な擦り傷が出来ていたけれど。教師に保健室へ行くことを告げ、一応傷口を洗い流してから再び校舎へととんぼ帰り。目的地へ向かう途中の廊下、ふと視界に入った空き教室に歩きながらちらりと視線を遣ると―)…んっ?(一瞬見えた人影を二度見した。そっと教室に足を踏み入れて窓際の席へ近付くと、既に5限目が始まっている時間なのにどうやら眠っているらしい。少しの間逡巡して、)…あのー、もう昼休み終わりましたけど…、授業始まってますよー…。(結局このまま見ない振りをすることも出来ず、うつ伏せる彼女へ控えめに声を掛けた。)
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