輝と待ち合わせ。

(共働きの両親に代わり掃除洗濯、下の子達の昼食の支度を全て時間までに済ませたなら待ち合わせ時間に間に合うよう時間を合わせ小さめのリュックを肩に掛けモッズコートを羽織ると花鶏駅へと向かった。今から向かえば待ち合わせ時間の10分前に付く予定だ。冷たい冬の風を身に感じながら手袋をしてきて正解だなと思いつつ駅へと辿り着くと辺りを見回し待ち人の姿を探してみる。)輝はまだか。(ポケットからスマホを取り出し時刻を確認すると11時20分、予定通り着いた事に心なしか満足しながらのんびりと相手を待とうか。)

奈都さんとご飯は久しぶりなので楽しみですー。

(約束をした日の朝。珍しく天気予報を確認し今日は寒いだけで雨の心配がないと解れば、一人テレビの前でほっ、と息を吐いて。普段学園には自転車で通学している西野だが、今日はどうしようかと迷った末に何かあって邪魔になっては…と思い徒歩で行くことに。通学用の物とは別の、お出かけ用と称している黒のリュックに荷物を詰めて。忘れ物がない事を確認したのなら、明るいグレーのPコートとチャコールグレーのマフラーと同じくチャコールグレーの手袋で防寒対策をしっかりし、家を出た。そして駅。待ち合わせの時刻よりは早く着いたつもりだったのだが、彼女の方が先に来ていたようで。姿を見つけて小走りで駆けよれば、彼女に声を掛けよう。)奈都さん、こんにちは。お待たせしてしまってすみません、身体冷えてませんか?