あれも食べたいし、これも食べたい。選べない時は…。

(食堂のメニューの前で佇む少女が1人。いつもなら母親が作ってくれるお弁当を家に忘れてしまった彼女は薄っぺらい財布を手にして食堂へ足を運んできた。いつもお弁当のため久しぶりに食堂のメニューを食べられるのは嬉しいが、金欠の今日にとっては痛い打撃である。しかし昼食抜きなんかできるはずもなく。仕方なしに安いメニューを選びたいのだが。彼女の視線はオムライス一本であるーー)うー、やっぱり食べたい。どうするべきか。…お金ふってこないかなぁ。(小さなため息を呟きながら、先程から同じ言葉を繰り返して。果たして彼女の選択はーー)

先にあみだくじでもしといたら…悩まんで済むかもな。

昼食をとる際は必ずと言っていい程お世話になっている食堂。昨日はアレを食べたから今日は―なんて思考を巡らしながら慣れた足取りで赴くも、先客が何やら考え込んでいる様子。悪いなと思いつつも先に割り込ませてもらい食券を購入したのだが、聞こえ続ける言葉が気になり、――とうとう声を掛けた。)………なぁ、そこの……さっきからぶつぶつ言うとるけど、はよ決めな昼休み終わってまうで。(そして何となしに貴女の視線先を辿り手元を見やれば、ぼんやりとだが事情を察せたものだから、思わず。)なんや決められんのやったら、手伝わんことも無いけど。……手伝い、いる?

結局、やっぱりこっちがいい!とかになりそうです(笑)

(視線は釘付けのため周りの音が耳に入っていない彼女の集中力。普段の授業では目にできない姿である。それほど食への意識は高いと見えて。ーふと耳にした昼休みという単語。その瞬間はっと我に返ったであろう表情を浮かべれば、「え、もう昼休み終わりです?!」と彼に視線を合わせてー)なんだ、まだ大丈夫じゃないですか〜…そうなんです、決めれなさすぎて困っておりました。(眉を下げながらどうしようもない表情を浮かべながら続く言葉を聞けば、「ええ、お手伝いしていただけるんです?」とすぐにその表情はゆるりと微笑むのだろうー)お兄さん・・・久しぶりの食堂、お金がピンチの時、どうしても食べたいものが目の前にあるとします。食べます?それとも我慢します?(心理テストでもするかのように疑問を初対面の相手に投げかけて。)

まぁ…その場合は知り合いと半分こ、やな。

そんでも悩んでる間に時間過ぎてくんやから、まーだ大丈夫とか思ってたらそのうち痛い目みるで。(神妙な面持ちでそう釘を刺すもすぐに冗談だと口にするのがこの男。)力になれるかは…分からんけど。君が必要や言うなら、な。(表情和らぐ貴女に釣られ此方も口元緩ませながら良い返事をし、予期せぬ質問には一瞬瞳丸くして驚きつつ)ン、俺の場合?…どうしても食べたいもんやったら、人に金借りてでも食べるわなぁ。手っ取り早く解決できるし。あとはー……(顎に手当てしばし悩む様子見せ小さな声で一言。)センセに頼み込んで恵んでもらう、とか?

シェアいいですね♪嶋先輩天才ー!

た、確かに。優柔不断とはこのことですね。(冗談なんて関係ない。真面目に受け取った彼女は一瞬顔を曇らし苦笑を浮かべ。)必要ですー、よろしくお願いします。・・・えーとお名前は?(今更ながらと付け加えながら、緩く傾げる首。「あ、ささいみお1年生です。よろしくおねがいします」と自分を指さしながらそう伝え。)借金制度ですね!お兄さんのお財布には利子つきます?なんて。・・おお、その手があったか。(ぽん、と両手をついてはにっこり満面の笑みを。)頼み方は「せんせい、お金ないのでかしてください。はーと。」でしょうか、ここは?